〜Les Moments Cartier-Art de Faire カルティエが魅せる職人技〜 #Cartiertokyo
※写真は一番下にまとめてあります。
普段ホームページには自身の展示会情報を載せる事がメインとなっておりますが、このイベントには非常に刺激を受けたため、文字に起こしてみました。
自身の備忘録的な意味合いも大きいため、読みづらいかもしれませんがご了承くださいませ。でも、一緒に質問している気分になれるかもしれません(笑)
東京・六本木 (21_21 DESIGN SIGHTで10/2〜14まで開催のこのイベントではカルティエの職人さんの作業を間近で見たり、お話が聞けたりするイベントです。
そこで宝石彫刻師のPhilippe Nicolas氏にお会いしました。
最初はある程度用意された説明を聞いていたのですが、質問タイムがあったので気になった点を色々聞いてみました。
まず疑問に思ったのが、「石の模様を見てどう作品へ活かすか考える」と聞いた時にデザイナーと職人が分かれていないのか?という点です。
なんと分かれていないのですよ。衝撃的でした。もちろんデザイナーから依頼されるパターンもあるようでしたが、その流れはあまり好きではなさそうでした(笑)
もちろんカルティエ内部全てがというわけではなく、一点物のハイジュエリー部門には特別な自由度があるようです。それでいてカルティエ感は損なわない、斬新さと伝統が両立している。凄いなぁ。
そうなると次に気になるのは、じゃあ石は仕入れ担当がいるのか?という点。
なんとその会場にあった全ての石は彼自身が探してきた物だとの事。どう考えても石のラインナップから石マニア感がにじみ出ている(笑)カルティエがこんなマニアックな石達を積極的に使用している事が衝撃でした。
ちょっと気になる石が何の石か聞いてたら、「これは◯◯産の◯◯だけどアメリカで買ってきたんだよ。」という話題になり、それはTucson showの事では!?と思ったら大当たり。より石談義に花が咲いてしまいました(笑)
※ちなみに来年のTucson show行こうと計画中です♪小学生ぶりのアメリカ!!
石好きという事とジュエリーを作っているという事がばれたところで逆に質問が飛んできました。
「ジュエリーの工房が集まっている場所はあるの?」御徒町!即答(笑)
「そこは急に行ったら見学できる工房あると思う?」むりかな〜。
「それはそうだろうね、我々も今まで同じく閉鎖的だったしね」
「石は売ってる?」売ってる!けど求めている石は原石なのであまりないと思ったので、ちょうど開催中の新宿ミネラルショーをご提案しておきました。それでもきっとサイズなどは求める物が少ないと思ったのですが、自分の立場だったら旅先で石屋にふらりと寄れるだけで嬉しいのでとりあえず。
「作っている物見せて」とりあえずインスタをざっと見てもらった。
セキセイ飛翔ブローチが気になったようで、「これの素材は?」と聞かれたのでプラチナなどと答えた辺りから、本格的にジュエリーを作ってる人だと認識されたようでした。
わりと作った作品を見ているとその人の背景も見えてくる気がしますよね。
Philippeさんが載っているホームページも教えてもらいました♪シマウマの作品必見!
「僕も個人でハイジュエリーを作っていたんだよ」という話が出てきたのでここまでの道のりを聞いてみました。(”僕も”というのは恐らくセキセイをハイジュエリーと捉えてくれたのかと)
Philippeさんは ガラスのアーティストを目指す→石の彫刻の学校へ→個人でジュエリーアーティスト→カルティエへ という流れで今があるのですが彼自身はアーティストとして生きていきたかった様です。しかし、家族がいるので収入面なども考えると安定した道を選んだとの事。
こだわりとしてはただの職人ではなく、アーティストであると。
その点は、石探し・デザイン・作りを両立している事で達成していると思う。(ここは考え方色々ですが確かに全くデザイン方面のことを理解できない職人も存在するのでそことの差別化的な意味合いだと思います。)
この辺りからデザインに対する考え方でも花が咲いてしまいました(笑)
考えている方向性が近かったため、意図をスムーズに汲み取る事ができました。
あと面白かったのが「東京に住んでて東京で作ってるの??」そうですよ。
生まれも育ちも東京ですっていうのがとても不思議に感じられる事あるんですよね。
説明してもなんだかすごく不思議そうでした。
よくある質問なので、その一文は英語でさらっと言えたりします(笑)
。。と、こんな感じで凄く話し込んでしまったため、通訳の方お疲れ様でした!本当にありがとうございました。と本人には届かないと思いますがこの場で再度お礼を。
フランス語は全くわからないので通訳さんいなかったらここまでじっくり話せていません。
本当に良いタイミングで、混んでなくてかなりじっくりお話ができてしまったので貴重な時間でした。しかも帰ってきてから知ったのはフランスのメートルダール(maitre-d’art)とは日本でいうところの人間国宝だとの事!
最早これから先、じっくりお話を伺う機会どころか会う可能性もほぼないでしょうから本当に希少体験です。あ、でもTucson showでばったり会う可能性はゼロではない?(笑)ま、開催場所が広大すぎてほぼゼロですけど!
結構はしょったのに思ったままを書いていたらやはり長文になりました。最後まで読んだ方はいるのだろうか?
というわけで凄く楽しかったんですよ。とにかく。
開催期間短いので気になってる人は是非行ってください。行ったらわかると思いますが会場結構狭いんですよ。狭いのに約1時間半も滞在してたんですよ!たぶんそのうち1時間はPhilippeさんとのおしゃべりタイムでしたね(笑)
楽しすぎてアトリエ帰ってから仕事がはかどり、リング4本磨き・石留め6ピース、その他少々とノリノリで加工が進みました(笑)